FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

灰野敬二/Peter Brötzmann "進化してゆく恥じらい、或いは加速する原罪" (1996)

英題は"Evolving Blush or Driving Original Sin"。日本が誇る即興の帝王、灰野敬二とペーター・ブロッツマンの初共演盤にあたる。

 標題なしの11曲。完全インプロが封ぜられた。年齢的には灰野がブロッツマンの一回り下。いちおう、灰野が胸を借りる格好か。あくまで、いちおう。灰野が遠慮する、わけがない。声だけでスリルを絶え間なく演出する、灰野の即興力を見せつける盤だ。

 基本、灰野は声だけ。楽器をあえて使わず抽象的な響きと勢いをマイクへ叩き付ける。場面によっては、奇妙な空白と静かなノイズが響く。もしかしたらスタジオでダンス風に床を踏み、舞う灰野の姿があったのかもしれない。

 冒頭は一分未満の小品。循環呼吸のサックスと灰野の叫びでエール交換が交わされた。
 その後もブロッツマンはテナーを巧みに軋ませる。メロディはさほど意識しない。たまに出る旋律を、朗々と繰り返した。
 サックスを吹きまくらず、空白を十分に保った。灰野と時にユニゾン、時に対話。相反するアプローチが、瞬間ごとにクルクル変わる。
 
 叩き付けられる灰野の息と声。ブロッツマンの野太いサックスの咆哮。シンプルなアレンジだが、フルレンジの音程で叫びを絞り出す灰野の多彩さが、正直勝っている。灰野ファンなぼくの感想だが。ブロッツマンももちろん手を抜かず、孤高を気取らず、まっこうから灰野と向かい合っているが。

 灰野の金属質な高音シャウトは、サックスの金切声と見事に溶けた。すかさず低音ドローンへ切り替える、ブロッツマンの瞬発力もさすが。
 声とサックスのインプロにビート楽器は無い。互いのグルーヴで揺らぎを作った。

 (5)では奇妙に日本風のブルージーなメロディを、ブロッツマンが奏でる。灰野は静かな吐息と、単音シャウトで応えた。終盤はハイトーンの斬り合いが楽しめる。
 掴みづらい楽曲が多い本盤で、この曲はもっとも整った構成を持った。

 灰野の精密な抽象画がジャケットに掲載された。黒のイメージが強い灰野にしては、本盤の白が印象にのこるデザインは新鮮だった。何年か後に吉祥寺の古本屋で原画展あったとき、この絵も飾られてたと思う。涼やかで凛とした絵だった、って記憶がある。
 

Personnel:
Peter Brötzmann:ts, etc
灰野敬二:vo, etc

スポンサーサイト

テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
CD (28)
検索フォーム
FC2カウンター
最新記事
RSSリンクの表示
最新コメント
月別アーカイブ
プロフィール

letme

Author:letme
無料ゲームで稼げる&高還元率ポイントサイト│ドル箱


無料サンプル、ブログライター、ブログで口コミプロモーションならレビューブログ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。