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Peter Brotzmann Octet "Machine Gun"(1968)

ペーター・ブロッツマンが8人編成で独FMTからリリースした、フリー・ジャズ。
その後の時代を牽引する、欧州フリージャズ界の怪物たちが一堂に会したエポック・メーキングな盤である。歴史上の位置づけを意識しながら聴きたい。
         
普通に聴いてデタラメで喧しい変な盤で終わってしまうのは、あまりに勿体ない。確かに聴きづらい盤かもしれない。けれども自己模倣が皆無な、新鮮なアプローチのみずみずしい演奏だと、今だからこそ言える。

轟音と咆哮、疾走と無秩序。ファンクネスは聴き取れるし、フレッド・ヴァン・ホーフのピアノから、うっすらとスイング感は滲む。しかし他はジャズ、いやインプロの枠内で準拠枠の解体に軸足を置いている。すなわち、聴き手に解釈と価値観の設定を求めた。

つまり、凄い聴きづらい。良い音質で聴くほど、生のステージを見るほどに驚愕と衝撃があったろう。特に68年の時代性だ。この時代に、このサウンド。

全員がてんでにメチャクチャをやりながら、雑音に鳴ってない。たとえばデレク・ベイリーの枠はずしでなく、アメリカのモダンジャズで言うソロ回しと即興スタイルのみ抽出し、理性的にそぎ落とした音楽。

ざっくりしたテーマだけ決めて、ピアノ・ソロではホーン隊がスッと引く。猛然と叩く鍵盤から、ぎしぎし弦をいじめるベース・ソロや小物を放り出すデタラメなドラム・ソロへ。ここには聴き手の熱狂や共感を求めるより、自らの求道姿勢が先に立つ。

とにかくフリーに、激しく動きたい。そんな意気込みのサウンドだ。しかし何らかの音楽を作ろうって姿勢が、本盤には詰まってる。だから本盤は素晴らしい。
全員が真面目だ。轟音でフリーに動いても、破壊や茶目っ気は皆無。熱情をクラシックの音楽体系やダンスの躍動感を外し、コルトレーンの勢いのみ抽出した。グルーヴは無い。パルスの連続でのみ、メカニカルなファンクネスを疑似的に生んでいる。

轟音、だろうな。金管楽器みたいに、ペーター・ブロッツマンの、エヴァン・パーカーの、ウィレム・ブリュアーの木管楽器が軋み続ける。
今の耳だとバランスとったデジタル録音で、聴いてしまう。でもこれ、マルチですらなさそう。マイク数本の一発録り。ならばこの木管の音量は驚異だ。

ハン・ベニンクとウィレム・ブロイカーの2ドラム、Buschi NiebergallとSven-Åke Johanssonの2ベースに、ピアノの音量と全く負けてない。いっぽうでウッド・ベースのふたりがよく音を拾えたな、とも思うが・・・。

今までに3種類の盤がリリースされた。

オリジナルのLPでは3曲。
1.Machine Gun (3rd take)
2.Responsible / For Jan Van De Ven (2nd take)
3.Music For Han Bennink (1st take)

ぼくは91年の発掘音源含めたリイシュー盤で聴いている。
1."Machine Gun" 2nd take
2."Machine Gun" 3rd take
3."Responsible" 1st take
4."Responsible" 2nd take
5."Music for Han Bennink" 1st take

録音は全て、68年5月に独Bremenの"Lila Eule"にて。

さらに07年、LPに先立ち68年3月24日にFrankfurt Jazz Festivalで"Machine Gun"のライブ音源を加える"完全版"もリリースされた。

奔放でノイジーさがテンション落さず、繰り返されてるのがよくわかる。パワフルさは努力であり、意識的な構造だとよくわかる再発盤だ。決して若者の熱量だけで、行き当たりばったりではない。これらは全て、再現性も意識した演奏である。

オリジナルLPはブロッツマンの自主レーベルBROから発売。72年にFMPからリイシューされた。ブロッツマンは41年生まれで、本盤録音時は27歳。レコーディング・キャリアを初めて数年の気鋭な時期だ。

欧州フリージャズの老舗FMPはブロッツマンほか、本盤参加のPeter KowaldとJost Gebers, Peter Brötzmann, Alexander von Schlippenbachらで設立とある。
このディスコグラフィによると、本盤"Machine Gun"は5枚目のリリース。

改めて、本盤の歴史的な価値を意識しながら聴こう。はじけんばかりのアイディアとパワーに満ちた、若さを持った音楽と実感する。喧しくて抽象的なのは、変わらないけどさ。
Personnel:
Peter Brötzmann (tenor and baritone saxophones)
Evan Parker (saxophone)
Willem Breuker (reeds)
Peter Kowald (bass)
Buschi Niebergall (bass)
Sven-Åke Johansson (drums)
Han Bennink (drums)
Fred Van Hove (piano)
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